‘国際交流’ カテゴリーのアーカイブ

部屋を借りる

2010年9月15日 水曜日

今年の3月、日本の従業員の一人の青島長期出張(8月から10月末までの3ヶ月間)を決めてから、彼のための相応しい部屋を探すことにしました。3ヶ月というのはホテル住まいには長すぎるし、年間契約で部屋を借りるにはちょっと短い。そんな理由もあって、最終的には会社からバスで15分くらいの大きな家の一室を借りる、いわゆる間借りの形態に落ち着いたわけです。部屋にはシャワーと洗面所が備え付けられており、部屋のちょうど隣が共同トイレ。立地もいいし、月の家賃1,500元、電気・水道代に月50元と値段も手頃。手付金が500元(ただし理由の如何にかかわらず返却はされない)で、残りは入居時にまとめて払うか月毎で分割するかを選択できるというもので、条件としては理想的ですね。家主が言うには、家の中には他にも滞在者がいるため、通常は家の玄関の鍵は渡さず、それぞれの部屋の鍵のみを提供するということだったのですが、滞在予定者は全く中国語のしゃべれない日本人であること、帰りが真夜になることもあるということなどを説明して、玄関の鍵も渡してもらえるという約束を取り付けることもできました。万事順調、早速500元の手付金を支払い、あとは彼の到着日に、最初の月の家賃の残り1,000元と電気・水道代50元を支払えば契約完了、安心したわけです。

でもね、あるんですね、落とし穴が。彼の到着後、その家まで行ってざっと家の中を一巡した後、階下でさぁ家賃の残りを支払おうかという段になって、なんと家主は家賃として1,500元ではなく1,800元を、電気・水道代として50元ではなく200元を要求してきた上に玄関の鍵も渡すつもりはないと言い出したのです。その後、1時間もの時間を費やして事の次第を話し合ったあげく、やっとのことで手付金支払い時のレシートに記載された家賃、および条件で契約するという同意を得るところまでこぎつけました。残念ながらその時は双方ともにレシートを持っていなかったため、週末(その日は金曜日、夕方)は当初の予定通りに滞在し、週明けの月曜日にレシート持参の上、支払い、および契約の完了という運びになったわけです。もちろん私たちはレシートの内容に何の疑いも持っていなかったので、月曜日にはすべて予定通りにいくだろうと思っていました。

でもまだあるんですね。週が明けて月曜日、中国現地の従業員が、1,500元と50元の文字がはっきりと記載されたレシートを持って家主を訪れました。ここで家主は月1,500元の家賃には同意しましたが、水道・電気代については、今は「夏」なのでエアコンなどの代金も加味して、200元は必要だと言ってくる。このこじつけは受け入れがたい。そもそもレシートには当初から8月から10月末までの滞在と書いているのですから、夏だっていうことくらい想像はつきますよね。さらに3カ月分の前払いと1カ月分の敷金(退室時に返金、何も問題がなければの話ですが)を追加要求。結果として4,650元から6,600元、実に42%も金額が跳ね上がったんですね。仮に敷金が返ってくるかもしれないといっても、相手の手の内がすべて明らかになったわけではない。

新しい部屋を探さなければいけないかも、とここで不安になりました。

まだまだ家主は止まることを知りません。たとえば他の滞在客はすべて中国人で共同の場所はおおむね汚いから日本人には合わないだろう、あるいは彼の祖父が第二次世界大戦時に日本軍に殺されたため、彼の父が日本人と同居するのを嫌がっているなどなど、次から次に言い訳を見つけては、契約を拒み続けたのです。

結局、私たちは別の部屋をみつけ、その部屋の契約をすることにしました。会社にも近く、感じのよい大家(年配のご夫婦)で、家賃は月1,200元。4日間(金曜日の夜から月曜日まで)の紆余曲折を経て、火曜日に新しい部屋へ移動し、彼はやっと問題のない生活を手に入れたのです。

出会いは?

2010年5月24日 月曜日

私はイギリス人で、妻は日本人です。知り合ったきっかけについてよく聞かれます。

私は1991年にイギリスを出てから、初めての里帰りでした。しかも7年ぶり!安い航空券を探した結果、広島発→シンガポール経由→ロンドン着の券を購入しました。同じ日に妻が英語を勉強するためにイギリスへ出発しました。彼女も安い券を探した結果、成田発→シンガポール経由→ロンドン着の券を購入しました。私達はシンガポールからロンドンへの便が同じでした。

機内は、3列、4列、3列の席でした。私たちは真ん中4列席の反対側の通路席でした。私たちの間には、夫婦(国籍不明)が座っていて、その奥さんが私の隣でした。

座った瞬間からその奥さんが私に色んな質問をしてきました。最初の質問は「どこに向かっているのですか?」だった。ロンドン行きの飛行機だったので、ちょっと変な質問だと思いました。

それから次から次へと質問をしてきました。

どこに住んでいる?: 日本

何をしている?: 翻訳

日本語を話せる?: はい

彼女(3席離れた知らない女性)は日本人ですか?: 知らない!!

知らないと答えた瞬間、奥さんが彼女に英語で「Are you Japanese?」と聞きました。彼女は不思議な顔で「Yes.」と答えただけ。それだけで充分でした。奥さんが「彼は日本語が話せるので、ここに座った方がいいよ。」と言い、上にあった荷物を取り出し、無理やり彼女と席を換えました。

彼女はイギリス留学の為に、誰にも資金援助を求めず、自分でアルバイトをして留学資金を貯め、本場の英語を習いに行くと説明しました。15時間後に目的地のロンドンに着いて、一緒に荷物を受け取り、彼女があまりにも不安そうだったので入国の手続きを手伝い、彼女を迎えに来ている英会話学校の担当者の場所まで連れて行きました。私は6週間後に日本に戻る予定だったので、私の親の電話番号を彼女に渡し、困ったら電話してみたらと伝えました。彼女の苗字や連絡先も知らなかったし、彼女が連絡して来るとも思いませんでした。

でも・・・私が日本に戻る前の日に親の家に電話して来ました。「その節はありがとう。今は落ち着いて勉強しています。葉書を送りたいので、住所を教えてください。」と言う短い会話でした。葉書は来ないだろうと思ったが、親のイギリスの住所を電話で教えました。そして何も考えず、翌日日本に帰りました。

数ヵ月後に親から「葉書が届いている」と連絡がありました。まぁ、急いでいないので、親が今度イギリスから何かを送る時にその箱に入れてもらうようにしました。葉書が届いたら葉書で、手紙が届いたら手紙で返信しました。彼女の留学生活が終わり、日本の実家(埼玉県)に帰ってからはメールで連絡が始まりました。その後知り合ってから1年以上経った頃に「福山を見に行っていい?」と聞かれて、福山に遊びに来ました。それが、1999年の10月でした。11月に東京出張があったので、東京で会い、年末年始は彼女が福山に来てその時に、結婚することを決めました。知り合ってから結婚するまでは、電話やメールなどの連絡は多かったけど、実際に会ったのは4回でした。2月に埼玉の実家のご両親に挨拶に行き、彼女はその年の5月1日に福山に引っ越してきました。

国際結婚するのに色んな手続きが必要だったので、婚姻届は出会った日にちを選んで、その日にちに福山市役所に提出しました。知り合った日からちょうど2年でした。

お酒とビジネス

2010年5月18日 火曜日

もしお酒を飲みながら仕事の話をしないべきと思うのであれば、中国に行かない方がいいかも知れません。お酒とビジネスを混ぜたくない人も多いようですが、中国では一般的にお酒とビジネスを分けることは出来ません。「お酒無しなら、ビジネス無し」と言っても過言ではないでしょうか。他の国では、お互いをより良く知り合うため、ビジネスの相手と一緒に食事をしたりすることがありますが、中国ではこれがかなり重要視されているのが真実です。

私が初めて中国に行った時は日本の経営者の集団の一員としてでした。幾つかの中国の市政府の招待で、それぞれの「開発区」を見学し、投資奨励の話を聞く内容でした。

私達のグループは日本からの6人程度の経営者でした。迎えに来るのは中国側の市政府の偉い方々で、開発区の責任者、そして数名の国際ビジネスをしている中国の会社経営者でした。私達の倍以上の中国人が迎えに来てくれて、最初はそれが歓迎の気持ちの表れだと思いました。空港から見学場所に行ったり、それからホテルに戻ったりと、その間はずっと公安局のパトカーが先頭となり、車で移動しました。

完全なVIP扱いに感じましたが、第一印象は良く外れますね。特に中国では・・・

最初の日はまだ開発途中の「開発区」に連れて行かれ、その後昼食に招待されました。私達6人に加え、12人くらいの中国人がいました。通常はその市の市長から工場の工場長までが出席します。ビール(運が良かったら、冷たいビール)にその地方の自慢の白い酒(白酒、baijiu)が出されます。これは35%から75%のアルコール度数で、味は「悪い」から「最悪」までです。

接待の場での礼儀は客側の一人ひとりが現地側の一人ひとりと1対1の乾杯をすることです。私達は6人で、彼らは少なくても12人です。つまり、1回乾杯することで、私達は一人12杯飲み、中国側は一人6杯。まるで「私達対彼ら」の競争です。それが不公平に聞こえるようなら、もう一つ知っていた方がよいかと思います。私達が地方の自慢な55%のまずい酒で一気飲みしている間は、中国側は2杯目からこっそりと水やお茶を飲んでいるのが当たり前です。この段階は、まだお昼御飯の話です。

その後、港などを見学してから、2時間ほどのセミナーがありました。確かに自分の言語(英語や日本語)に翻訳された書類を用意されますが、全く理解不可能の文字列であるのが普通です。これは昼寝のいいチャンスです。それが終わり、ホテルで30分程の休憩をし、午後6時半に再びお酒を交えた食事になります。

食事は通常、その地方の一番贅沢なものです。例えば、大きなナマコから蠍、揚げた虫、色々な正体不明なものばかりです。もちろん、それらと一緒にお酒を戴きます。ただ、今回はグラスがより大きく、乾杯の回数もより多いです。

食事が終わってから、普通は近辺のカラオケ店に連れて行かれます。そこは日本語が話せ、飲み物のサービス(温かいビールなど)を提供してくれます。

なぜそんなに飲む?

彼らはたくさん飲むと言うよりも、たくさん飲ませます。今まで色々な理由を聞きましたが、一番納得できるのは、人は飲んでから本当の自分を見せることが多いという理由です。中国人はビジネスをする前に相手の正体を確認したく、その一番簡単な方法は酔ってもらうことです。

実際に自分が飲んでいる席で体験したことは、中国側の人は何回も同じ質問をしてきたことです。言い方が違っても、質問は同じです。最初は相手も飲んでいるので、既に聞いていることを忘れたか、相手があまり賢くないか、と思っていました。しかし本当はまったくの逆でした。計算の上、賢く質問をしていました。ある日について聞きます。それはいつだった?その当時は何歳だった?それは何年前?今は何歳?相手はもちろん、飲む前と酔ってから同じ答えが来ることを確認しています。真実を伝えているのであれば、全く問題ないことです。

お酒を避ける方法

基本的には不可能です。初めて会う時に全く飲めない(飲まないではなく飲めない)ことを明確にしない限り、社会的なルールに従って「少しだけ」を飲むことにはなります。その「少しだけ」が、「もう少し」になり、あっという間に「たくさん」の意味になります。最初の乾杯で、一滴でもお酒を飲むと相手は「飲める」と判断し、その後避けることは出来ません。

もちろん、お酒を断ることも選択肢の一つですが、相手のお酒を断ることは相手のビジネスを断ることと等しいことになります。

通訳者

市政府の接待の際、若い女性が通訳者として同席します。良くあるのがその女性は乾杯の際にお酒をすべてを飲み干せません。その為、自分が「紳士」として、隣の女性を助けることを期待されます。白酒が苦手な女性の場合、赤ワインを頼むことがあります。女性が赤ワインを頼んだとしても、結局自分で飲むハメになるのが普通です。結果的には、自分が温かいビール+55%の白酒+赤ワインをすべて一気飲みすることになります。

要約

上述の付き合い方が数年続き、最初はただの「外国からの来客」でしたが、それが「取引先」になり、「友人」となった今では、お酒の量が急に減りました。

市政府の方とお昼を共にした時には、「飲まなくていいよ」と言ってきます。食事に誘われ、既に予定があることを伝えたら、お茶だけで済ませることが出来ます。

中国人は相手のことを「10年後にもこの人と付き合えるか?」と見ます。

一方、日本人は目先の取引でどのくらいの利益を得られるかを計算しています。

全然違う考え方であり、習慣です。

私は中国の考え方の方が好きです。

ただ、好きなのは、その「考え方」だけであり、「お酒の好み方」ではないことを強調します。

中国での賄賂

2010年5月9日 日曜日

中国でのビジネスについて話すと直ぐに賄賂の話が出てきます。確かに中国の色々な場面で「賄賂」はまだ日常的なことです。あまりにも一般化されていて、悪いという意識がないことが多いです。逆に賄賂を払うのが当たり前で、賄賂なしの「正式な方法」が非常識と思われることも多いです。「賄賂」と思わず、「手数料」と思った方が近い訳語になるかも知れません。

大きく分けると二つの種類の賄賂があります:「良い賄賂」と「悪い賄賂」。先ずはそれについてちょっと説明します。

● 良い賄賂

良い賄賂とはその人が普通にする事をちょっとでも早めにしてもらうための賄賂です。例えば、何かを申請するのに、担当者が必要以上に面倒に出来ます。法律で書いていない項目を要求したり、解釈の違いによる細かい書き直しや訂正が永遠に続いたりすることがあります。自分は正しいことを正しくしようとしているだけでも、なぜか非常に時間とエネルギーを要する。そこで、その担当者に「お土産」を渡すことによって、急に物事が速く進むし、自分の手続きを急いでやってくれる。結果的にルール通りにしか進んでいないし、何の法律違反もない。でも、そのお土産(賄賂)がない場合よりはかなり早く、円滑に手続きが出来ます。これは役所、銀行、公安局、病院、どこでもあり得ることです。単なる常識です。

場合によってはお土産の代わりに「友人の紹介」で充分です。しかし、これはただで済んだと思うと大きな勘違いです。(それについては後日・・・)

● 悪い賄賂

一方、悪い賄賂とは人に禁じられている事をやらせる為の賄賂です。例えば、自分が犯した軽い違反を見逃すことから、相手が違法行為をすることまでです。このような賄賂は「良い賄賂」と比べて数が少ないのですが、比較的高額になるし、それなりの危険が伴うこともあります。

こんな悪い賄賂を提案することは絶対に避けた方が懸命です。自分から言い出したら、逆にそれだけで逮捕され、更なる賄賂を払うはめになることもあり得る。相手から言われても、よく考えて行動することがいいでしょう。

● 良い賄賂と悪い賄賂の区別

これは比較的に簡単です。例えば、何かを税関に通そうとした時に、物事が進まず、いくらかを払えば直ぐに出来ると言われた場合、「これは本当に税関を通すべきものかどうか?」を考えること!

本当に通すべきか担当者が面倒なことを言ったり、時間を掛けたりしているのであれば、恐らく「良い賄賂」の範囲内でしょう。一方、どう考えてもそれを税関で引っかかるべきものであるが、いくらかを払えば通してくれる話であれば、きっと「悪い賄賂」です。

● 賄賂の払い方

色々あります。もちろん現金を払うこともあります。しかし、当たり前に聞こえるが賄賂の領収書は発行も出来ないし、出来ても経費として認められるはずはないよね。また、賄賂は現金で払うと、見られたり、後で受け取った人が見つけられたりした場合はかなり面倒なことになる可能性がある。

そこで、現金ではなくて、携帯電話のプリペイドカードやデパートの金券(カード式)で賄賂を払うことが一般化されています。皆が電話カードを使えるし、日本系のデパートのカードを持つと中国でのステータスになっているし、更にその二つを買う時に正式な領収書をもらって、経費として落とすことが可能になります。

しかし、現代の中国を批判する前に戦後の日本を思い出しましょう。まだ「賂」と書いて「まいない」と読んで、しきたりとして「礼として贈る物」でした。当時は米券が多かったそうですが、時代と共に形が変わっているだけでしょうね。

結局は、中国に入っては中国に従う!

日本の休日

2010年4月29日 木曜日

今日は4月29日(昭和の日)です。日本では国民の祝日です。しかし、今の日本の企業は日本だけの取引では残れないし、他の国は普通に出勤する日です。つまり、一日の業務が止まってしまう企業が多いでしょう。

弊社は国際業務を支援している立場から考え、極力社員全員が同時に休む日を減らしています。

中国の青島市にある姉妹会社はもちろんのこと、日本にある弊社も本日は営業しています。

両者の年間カレンダーをそれぞれのウェブサイトに公開しています。

国際業務だと時差もありますが、1日の差が意外と大きい場合がありますので、その点をもっと重視するべきではないでしょうか?

株式会社ハイマン翻訳年間スケジュール

青岛海曼商务咨询有限公司年間スケジュール