‘国際取引’ カテゴリーのアーカイブ

次の段階

2017年1月1日 日曜日

中国でコンサルティングの仕事が忙しくなったと同時に、中国の中央政府と地方政府関連の案件が増えました。その状況下で、何人かから私のブログ投稿は反中国的とも見られるという指摘を受けました。そこで、暫く休憩するという決断をしました。

早送り4年。

中国でコンサルティング会社を設立したのは、幾つかの目的を達成する為でした。

  1. 中国語の勉強をする
  2. 中国での会社設立や運営を経験する
  3. 中国での生活や習慣をより理解する
  4. 日本と中国の税法などのビジネス方法の違いについて勉強する
  5. 日系企業が中国で困っていることを実感する
  6. 中国人の知り合いを増やす
  7. 中国国内旅行する

2006年からの10年間で、すべての目的をある程度達成したことと、やはり日本での生活の方が良いと考えて、中国の事務所を閉めて、現地法人を解散することにしました。

日本に戻って、日本の会社(株式会社ハイマン翻訳)を見直したところ、創業当時の翻訳や印刷業務はまだ多かったものの自分が主にしていた仕事は翻訳ではなく、経営コンサルティングだと気付きました。その活動により相応しい会社名に変更することを決め、「株式会社ハイマン インターナショナル」が誕生しました。

今後は不定期にはなると思いますが、ブログを再開し、今までのエピソードや日頃感じることについて投稿させて頂きますので、ご興味がある方は時々ご覧いただければ幸いです。

 

JIMTOFは国際的?

2010年12月30日 木曜日

私が経営している会社は色々な分野の書類を翻訳していますが、私個人が担当している翻訳の多くは工作機械とその関連技術に関する文章です。その為、「日本国際工作機械見本市」が開催される年には、可能であれば参加します。10社以上の顧客と1日で会える機会だけではなく、最新の開発や技術を見ることが出来ます。

今年は中国から東京へ、この展示会の為に2泊3日の予定で一時帰国しました。展示会に参加するだけで、かなりのお金と時間の浪費に感じるかも知れませんが、2年に1度しか開催されないということもあり、行くことにしました。毎回と同じ会社が出展していましたが、残念ながらその多くは誤訳だらけの英語と中国語を何も気にせず展示パネルやカタログ、看板などに使用していました。毎回改善されないので驚くことでもないのですが・・・

しかし、開催する側の「社団法人日本工作機械工業会」の看板を見た時には、本当に驚きました。英語で大きな文字で「国際」の意味の「International」を書いたつもりが、2つ目の「i」が抜けていたからです。 面白い?いいえ!世界中の人が訪れているのに、情けないのと、非常に恥ずかしいと思います。日本のこの業界の世界位置づけを改善すると言いながら、簡単な英語さえ書けないとは・・・

誰だって間違えることもあるでしょうと思いながら、上の写真を撮りました。しかし、その社団法人の英語版ウェブサイトを見た時は、さすがに固まってしまいました。同じ言葉をまた間違えていたからです。しかし、今回は、2つ目の「a」が抜けていました。

[ クリックすると拡大します ]

言葉を失うほど失望しました。でも唯一の救いは次回のJIMTOF 2012までに改善の時間が充分あることですかね。

中国での賄賂

2010年5月9日 日曜日

中国でのビジネスについて話すと直ぐに賄賂の話が出てきます。確かに中国の色々な場面で「賄賂」はまだ日常的なことです。あまりにも一般化されていて、悪いという意識がないことが多いです。逆に賄賂を払うのが当たり前で、賄賂なしの「正式な方法」が非常識と思われることも多いです。「賄賂」と思わず、「手数料」と思った方が近い訳語になるかも知れません。

大きく分けると二つの種類の賄賂があります:「良い賄賂」と「悪い賄賂」。先ずはそれについてちょっと説明します。

● 良い賄賂

良い賄賂とはその人が普通にする事をちょっとでも早めにしてもらうための賄賂です。例えば、何かを申請するのに、担当者が必要以上に面倒に出来ます。法律で書いていない項目を要求したり、解釈の違いによる細かい書き直しや訂正が永遠に続いたりすることがあります。自分は正しいことを正しくしようとしているだけでも、なぜか非常に時間とエネルギーを要する。そこで、その担当者に「お土産」を渡すことによって、急に物事が速く進むし、自分の手続きを急いでやってくれる。結果的にルール通りにしか進んでいないし、何の法律違反もない。でも、そのお土産(賄賂)がない場合よりはかなり早く、円滑に手続きが出来ます。これは役所、銀行、公安局、病院、どこでもあり得ることです。単なる常識です。

場合によってはお土産の代わりに「友人の紹介」で充分です。しかし、これはただで済んだと思うと大きな勘違いです。(それについては後日・・・)

● 悪い賄賂

一方、悪い賄賂とは人に禁じられている事をやらせる為の賄賂です。例えば、自分が犯した軽い違反を見逃すことから、相手が違法行為をすることまでです。このような賄賂は「良い賄賂」と比べて数が少ないのですが、比較的高額になるし、それなりの危険が伴うこともあります。

こんな悪い賄賂を提案することは絶対に避けた方が懸命です。自分から言い出したら、逆にそれだけで逮捕され、更なる賄賂を払うはめになることもあり得る。相手から言われても、よく考えて行動することがいいでしょう。

● 良い賄賂と悪い賄賂の区別

これは比較的に簡単です。例えば、何かを税関に通そうとした時に、物事が進まず、いくらかを払えば直ぐに出来ると言われた場合、「これは本当に税関を通すべきものかどうか?」を考えること!

本当に通すべきか担当者が面倒なことを言ったり、時間を掛けたりしているのであれば、恐らく「良い賄賂」の範囲内でしょう。一方、どう考えてもそれを税関で引っかかるべきものであるが、いくらかを払えば通してくれる話であれば、きっと「悪い賄賂」です。

● 賄賂の払い方

色々あります。もちろん現金を払うこともあります。しかし、当たり前に聞こえるが賄賂の領収書は発行も出来ないし、出来ても経費として認められるはずはないよね。また、賄賂は現金で払うと、見られたり、後で受け取った人が見つけられたりした場合はかなり面倒なことになる可能性がある。

そこで、現金ではなくて、携帯電話のプリペイドカードやデパートの金券(カード式)で賄賂を払うことが一般化されています。皆が電話カードを使えるし、日本系のデパートのカードを持つと中国でのステータスになっているし、更にその二つを買う時に正式な領収書をもらって、経費として落とすことが可能になります。

しかし、現代の中国を批判する前に戦後の日本を思い出しましょう。まだ「賂」と書いて「まいない」と読んで、しきたりとして「礼として贈る物」でした。当時は米券が多かったそうですが、時代と共に形が変わっているだけでしょうね。

結局は、中国に入っては中国に従う!

日本の休日

2010年4月29日 木曜日

今日は4月29日(昭和の日)です。日本では国民の祝日です。しかし、今の日本の企業は日本だけの取引では残れないし、他の国は普通に出勤する日です。つまり、一日の業務が止まってしまう企業が多いでしょう。

弊社は国際業務を支援している立場から考え、極力社員全員が同時に休む日を減らしています。

中国の青島市にある姉妹会社はもちろんのこと、日本にある弊社も本日は営業しています。

両者の年間カレンダーをそれぞれのウェブサイトに公開しています。

国際業務だと時差もありますが、1日の差が意外と大きい場合がありますので、その点をもっと重視するべきではないでしょうか?

株式会社ハイマン翻訳年間スケジュール

青岛海曼商务咨询有限公司年間スケジュール

通訳者

2010年3月21日 日曜日

通訳は単に一人が話した言葉を他の言語に置き換えて話すことではないです。

話す人の考え、話す内容の背景、選んだ言葉の細かいニュアンスをすべて理解して、同じ意味が通じるように違う言語で説明することです。

日本人がよく言う「前向きに検討する」や「首が回らない」をそのまま他の言語にしたら、大きな勘違いを招く可能性があります。

また、通訳者は透明の存在であるべきです。違う言語を話している2人が、その違いを気にせずに出来るだけ普通に話せるのが理想です。

しかし、通訳に関して、一つの大きな勘違いがあります。通訳者が中立であることが当たり前と思われる人が多いです。それはあり得ません。片方からお金をもらっているので、その方の社員と変わりはないです。その方の目的を果たすように通訳するはずです。

ですので、通訳が必要な会議や打ち合わせの際は、事前にその通訳者と充分打ち合わせをし、相手は誰か、会議の目的は何か、どんな問題が生じそうか、すべて説明した方が良いです。プロの通訳は安くありません。でも、自分の会社の一員になり、自分のチームのメンバーであることをよく覚えた方が良いでしょう。

社内で他の言語を話す人や学生のアルバイトをたまに使っていることが多いようですが、このような通訳者を使った会議が成功に終わる確率が、プロの通訳者を使う場合と比べて低いでしょう。

両方の言語に加えて、その分野の専門用語とその会議の背景と目的を充分理解した上で通訳を行うのが賢明でしょう。

上手な通訳者は安くないですが、その価値は充分にある!