‘日本’ カテゴリーのアーカイブ

安全?

2010年12月14日 火曜日

不正確に使われている、もしくは間違った文脈でよく耳にする日本語の言葉に「安全」と「安心」があると思います。これは日本だけに限ったことではないと思いますが、空港でのセキュリティ(安全)・チェックを例に挙げてみましょう。

空港でのセキュリティ・チェックがどれほどの安全を保障してくれているでしょうか?ここ数年来のセキュリティ・チェックの厳しさは凄まじいものがあります。X線検査を通すときにはコンピューターをバッグから出さなくてはいけない。液体は一定量、もしくは完全に持ち込み禁止。靴を脱がなくてはいけない所もあるし、X線検査の後には金属探知機まで。

これで我々が安全でしょうか?

そうとも言えないんです。

液体を機内に持ち込みたいとするでしょう?であれば、ポケットに液体を入れればいいんです。金属を身に付けていない限りは、金属探知機を難なく通り抜けることができるうえに、笑顔で送り出してくれます。この場合、水銀は例外ですけど!(笑)

金属について言うと、デジタルカメラが世を席巻する以前にはよく見られたX線フィルムバッグを覚えていますか?内側に張られた鉛がX線を防ぎ、フィルムを守ってくれるあのバッグです。効果のほどはというと、モニターを見ながら近くの人と話しこんでいるか、今にも寝てしまいそうな検査員には、検査中の荷物内に空白があるように見えるはずです。その中にだったらフィルムをはじめとしてピストルからナイフまで・・・なんだって入れることができますね。

仮にX線検査員がまじめに働いている場合は、もしあなたが刃物になりうるものを所有していた場合、それら(ポケットナイフはもとより、爪切りなども含め武器になりそうなもの全部)は没収の憂き目にあうでしょう。そしてこれらはすべて、並んでいる他の乗客の目の前で行われます。これとて彼らに安全になったという気分を与えているにすぎず、安心感を与えているという方がより正確だと思います。

しかしながらセキュリティ・チェックを通ってしまうと、そこには免税店があり、液体、刃物、ガラスなど、セキュリティ・チェックであれば没収されるような品々も、ここでなら購入することができるというわけです…

さて、搭乗も無事終わり、目的地に向かって飛行機が飛び立ちました。航路において問題になりそうなものは、効果的でひどく骨の折れるセキュリティ・チェックによって一掃されたはずです。機内では客室乗務員がボトルからワインを注いでくれたり、缶に入ったビールやソフトドリンクを提供してくれます。もしあなたの席がビジネスクラスであれば、料理を楽しむために金属製ナイフやフォークも食事についてくるでしょう。

あなたは当たり前のように金属製ナイフを手にし、ウォッカのボトルを持ち込んで、ねじり切ったらすぐに刃物になるようなアルミ缶を目の前にしています。あんなに膨大な時間とお金を使ったあのセキュリティ・チェックは何だったんだろう、と考えざるをえませんし、ひいては機内においてどのくらい安全であるかということにも疑念が生じます。

このように見てみると、プラスチック爆弾や水に溶けると有毒ガスを発生するような少量の粉末といったような危険物がどこでチェックされていることを考えるだけでも恐ろしいですね・・・

結局「安全」よりも「安心」が重視されているでしょう。

誰の奥さん?

2010年7月12日 月曜日

本来は「奥さん」は他人の妻を敬っていう語です。文脈がないと、話している相手か第三者の妻は明確ではないが、確かなのは話している本人の妻ではないことです。「私の奥さん」は正しくない言い方ですが、近年ではよく耳にします。「私の奥さんと食事に行ってきます」などと聞くと、間違った日本語でも、意味は明確です。この場合だと翻訳するのは簡単です。しかし、「私の」はよく省略され、単に「奥さんと食事に行ってきます」として使われています。この場合は、文脈がないと、他人の妻と食事することにしか思えない。

「奥さんと食事に行ってきます」と言われたら、直ぐに思うのは「誰の?」です。例えば、メールの本文などを翻訳する場合は、その「誰の?」を聞くことが出来ないのが普通です。問題は英語にするとその「誰の」を必ず入れる必要があります。その情報がなければ、「誰かの」にするしかありません。本当は夫婦が食事に行く話だけだったのに、まるで浮気の宣言に聞こえてしまいます。

ここで翻訳を依頼する時に大事なことが二つです。一つ目は充分な文脈・背景を翻訳者に伝えて、正しく翻訳できるようにすること。二つ目は少なくても日本語を正しく使うこと。

この例だと「妻と食事に行ってきます」を言っていたら、何の問題もなかったです。

日本の休日

2010年4月29日 木曜日

今日は4月29日(昭和の日)です。日本では国民の祝日です。しかし、今の日本の企業は日本だけの取引では残れないし、他の国は普通に出勤する日です。つまり、一日の業務が止まってしまう企業が多いでしょう。

弊社は国際業務を支援している立場から考え、極力社員全員が同時に休む日を減らしています。

中国の青島市にある姉妹会社はもちろんのこと、日本にある弊社も本日は営業しています。

両者の年間カレンダーをそれぞれのウェブサイトに公開しています。

国際業務だと時差もありますが、1日の差が意外と大きい場合がありますので、その点をもっと重視するべきではないでしょうか?

株式会社ハイマン翻訳年間スケジュール

青岛海曼商务咨询有限公司年間スケジュール

呼び捨てていいの?

2010年3月9日 火曜日

日本に18年間住み、日本語を話せて、日本の企業を経営して、まだまだ呼び捨てされることが多いです。気にしなければ済む問題と言えばそうかも知れないが、そうではない三つの理由があります。

その一

なぜ呼び捨てにするかを聞くと、殆どの人が「外人に“さん”を付けるのが不自然、言いにくい」と言う。それが変だと思うし、言い訳にしか聞こえない。「さん」は日本語の一部です。名前の一部ではありません。ですので、日本人であろうが、外国人であろうが、敬語を使う場面であれば、「さん」を付けるべきだと思う。

更に、日本人同士で一人がもう一人を呼び捨てした場合は、どちらが悪く見える?呼び捨てした方か、呼び捨てされた方?当然、呼び捨てした方ですね。礼儀が分からないと思われる。外国人を呼び捨てした場合も同様です!

その二

結婚してから、妻と一緒にいると、私が呼び捨てされても、彼女はきちんと「ハイマンさん」と呼ばれる。これは可笑しいだけではなくて、彼女の気分が良くない。悪意がなくても周りから見ると外国人に対する差別に見える。また、呼び捨てする方が悪く見える。

ある団体の会議に出席したとき、名簿がありました。他の皆の名前の後に「氏」が付けられたが、私の名前の後は何もなかった。普通なら考えられないが、よくあることらしい。

その三

気にしなければいいと言われても、気にしています。特に自分の顧客と一緒に食事に行くとそのお店の店長が私を呼び捨てにすると、私が良く見えないし、呼び捨てしていいと思われ、伝染病のように呼び捨てる人が増えてしまう。結局、そのお店は接待で使えない。