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誰の奥さん?

2010年7月12日 月曜日

本来は「奥さん」は他人の妻を敬っていう語です。文脈がないと、話している相手か第三者の妻は明確ではないが、確かなのは話している本人の妻ではないことです。「私の奥さん」は正しくない言い方ですが、近年ではよく耳にします。「私の奥さんと食事に行ってきます」などと聞くと、間違った日本語でも、意味は明確です。この場合だと翻訳するのは簡単です。しかし、「私の」はよく省略され、単に「奥さんと食事に行ってきます」として使われています。この場合は、文脈がないと、他人の妻と食事することにしか思えない。

「奥さんと食事に行ってきます」と言われたら、直ぐに思うのは「誰の?」です。例えば、メールの本文などを翻訳する場合は、その「誰の?」を聞くことが出来ないのが普通です。問題は英語にするとその「誰の」を必ず入れる必要があります。その情報がなければ、「誰かの」にするしかありません。本当は夫婦が食事に行く話だけだったのに、まるで浮気の宣言に聞こえてしまいます。

ここで翻訳を依頼する時に大事なことが二つです。一つ目は充分な文脈・背景を翻訳者に伝えて、正しく翻訳できるようにすること。二つ目は少なくても日本語を正しく使うこと。

この例だと「妻と食事に行ってきます」を言っていたら、何の問題もなかったです。