国籍は無関係?

イギリスに生まれ育ち、イギリスとギリシャの二つの大学を卒業後に30数カ国を歴訪し、来日前にはネパール、インド、タイで多くの時間を過ごしました。

それから日本と中国で20年の歳月が経ち、両国で自分の会社を経営し、7ヶ国語に親しみ、国籍の異なる女性と10年にわたり結婚生活を過ごしています。

その経験を踏まえた上で、自分の意思を超えた特性としての国籍というものは、まったく色の好き嫌い程度のものでしかないのでは?という意見を持つに至りました。

しかし最近の中国での経験によって、その考えが少しずつ揺らいできていると言わざる得ません。
また20年来、非難し続けてきた意見についての再考をも余儀なくされました。

大多数ではないにせよ、私が仕事を一緒にした多くの日本人は平均的な中国人に対しては大きな期待をせず、あまりいい印象を持っていませんでした。
国籍だけで人を判断するというその態度はフェアなものではないし、時に攻撃的ですらあります。

しかし最近になって、ひょっとしたら中国は、国籍というものの個々に対する影響という点では、例外と考えた方がいいかも知れないと思うようになってきました。

これについて強調しておきたいことですが、ここでの私の意見は、海外への渡航経験がない人についてではなく、外国語に通じ、尚且つ海外滞在経験のある中国人についてのものです。

もちろん多くの例外はあるでしょう。
ただ、私が気づいたことは中国人にとっては、その期間にかかわらず外国での滞在経験がその国の文化や言語、人々の理解には残念ながら繋がっているとは必ずしも言えないということです。

その国での「常識」は、中国から訪れた人々にはことごとく異質なものに感じられるでしょう。
そう、まさに訪問者という言葉がふさわしいように思います。

どんなに長い期間、外国に滞在したとしても、彼らのほとんどは、その社会の基盤となる地域の常識や伝統といったものを吸収できるような地域社会と交流していないように私には思えます。

今後は、実生活に基づいたいくつかの例をあげてみたいと思います。

 

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