正しい道具を選んだ方がいい

心理学者アブラハム・マズロー氏が言ったのは「金槌しか持っていなければ、すべての問題は釘に見える」。たくさんの人がMS-Excelが設計・開発された目的以外の用途で使用しているようです。MS-Excelはスプレッド・シート(表計算ソフト)です。リストを作ったり、計算の自動化をしたりするのに販売管理などでよく使われている。しかし、多くの人(特に理系の方)がMS-Excelで全く違うものを作成している。一緒に売られているMS-Wordが相応しいのに、MS-Excelで取扱説明書や品質マニュアルなどを作成されている。文字を扱うために開発された友達のMS-Wordの方が適切ですが、MS-Excelの方に慣れているためとよく言い訳される。

作られたファイルをプリントして使うと全く問題はないかもしれないが、のちのち翻訳者の悪夢となることも多々あります。翻訳された文章が原稿の文章よりも長いとMS-Excelのセルに入りきれないことが多いです。そのセルやテキストボックスのサイズを変更しようとすると、書類が完全に崩れてしまうこともあるし、適切なソフトで作られた原稿と比べて作業時間がかなり長くなります。

英語は日本語よりも長くなりますが、テキストが自然に次のページに流れないし、度々一つの文章が複数のセルで分かれているので、翻訳支援ソフト(CAT)を使って翻訳を効率よくすることが非常に難しくなるし、場合によっては不可能となってしまいます。

結局は翻訳された書類は完璧な見た目ではないのに、相応しいソフトで作られた原稿を翻訳する場合よりも、時間と費用の負担が大きくなってしまいます。

すべての道具には用途がある。MS-Excelの用途はテキストを書くことではありません。なぜMS-Wordをワード(単語)と名づけられたと思う・・・?

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