お酒とビジネス

2010年5月18日

もしお酒を飲みながら仕事の話をしないべきと思うのであれば、中国に行かない方がいいかも知れません。お酒とビジネスを混ぜたくない人も多いようですが、中国では一般的にお酒とビジネスを分けることは出来ません。「お酒無しなら、ビジネス無し」と言っても過言ではないでしょうか。他の国では、お互いをより良く知り合うため、ビジネスの相手と一緒に食事をしたりすることがありますが、中国ではこれがかなり重要視されているのが真実です。

私が初めて中国に行った時は日本の経営者の集団の一員としてでした。幾つかの中国の市政府の招待で、それぞれの「開発区」を見学し、投資奨励の話を聞く内容でした。

私達のグループは日本からの6人程度の経営者でした。迎えに来るのは中国側の市政府の偉い方々で、開発区の責任者、そして数名の国際ビジネスをしている中国の会社経営者でした。私達の倍以上の中国人が迎えに来てくれて、最初はそれが歓迎の気持ちの表れだと思いました。空港から見学場所に行ったり、それからホテルに戻ったりと、その間はずっと公安局のパトカーが先頭となり、車で移動しました。

完全なVIP扱いに感じましたが、第一印象は良く外れますね。特に中国では・・・

最初の日はまだ開発途中の「開発区」に連れて行かれ、その後昼食に招待されました。私達6人に加え、12人くらいの中国人がいました。通常はその市の市長から工場の工場長までが出席します。ビール(運が良かったら、冷たいビール)にその地方の自慢の白い酒(白酒、baijiu)が出されます。これは35%から75%のアルコール度数で、味は「悪い」から「最悪」までです。

接待の場での礼儀は客側の一人ひとりが現地側の一人ひとりと1対1の乾杯をすることです。私達は6人で、彼らは少なくても12人です。つまり、1回乾杯することで、私達は一人12杯飲み、中国側は一人6杯。まるで「私達対彼ら」の競争です。それが不公平に聞こえるようなら、もう一つ知っていた方がよいかと思います。私達が地方の自慢な55%のまずい酒で一気飲みしている間は、中国側は2杯目からこっそりと水やお茶を飲んでいるのが当たり前です。この段階は、まだお昼御飯の話です。

その後、港などを見学してから、2時間ほどのセミナーがありました。確かに自分の言語(英語や日本語)に翻訳された書類を用意されますが、全く理解不可能の文字列であるのが普通です。これは昼寝のいいチャンスです。それが終わり、ホテルで30分程の休憩をし、午後6時半に再びお酒を交えた食事になります。

食事は通常、その地方の一番贅沢なものです。例えば、大きなナマコから蠍、揚げた虫、色々な正体不明なものばかりです。もちろん、それらと一緒にお酒を戴きます。ただ、今回はグラスがより大きく、乾杯の回数もより多いです。

食事が終わってから、普通は近辺のカラオケ店に連れて行かれます。そこは日本語が話せ、飲み物のサービス(温かいビールなど)を提供してくれます。

なぜそんなに飲む?

彼らはたくさん飲むと言うよりも、たくさん飲ませます。今まで色々な理由を聞きましたが、一番納得できるのは、人は飲んでから本当の自分を見せることが多いという理由です。中国人はビジネスをする前に相手の正体を確認したく、その一番簡単な方法は酔ってもらうことです。

実際に自分が飲んでいる席で体験したことは、中国側の人は何回も同じ質問をしてきたことです。言い方が違っても、質問は同じです。最初は相手も飲んでいるので、既に聞いていることを忘れたか、相手があまり賢くないか、と思っていました。しかし本当はまったくの逆でした。計算の上、賢く質問をしていました。ある日について聞きます。それはいつだった?その当時は何歳だった?それは何年前?今は何歳?相手はもちろん、飲む前と酔ってから同じ答えが来ることを確認しています。真実を伝えているのであれば、全く問題ないことです。

お酒を避ける方法

基本的には不可能です。初めて会う時に全く飲めない(飲まないではなく飲めない)ことを明確にしない限り、社会的なルールに従って「少しだけ」を飲むことにはなります。その「少しだけ」が、「もう少し」になり、あっという間に「たくさん」の意味になります。最初の乾杯で、一滴でもお酒を飲むと相手は「飲める」と判断し、その後避けることは出来ません。

もちろん、お酒を断ることも選択肢の一つですが、相手のお酒を断ることは相手のビジネスを断ることと等しいことになります。

通訳者

市政府の接待の際、若い女性が通訳者として同席します。良くあるのがその女性は乾杯の際にお酒をすべてを飲み干せません。その為、自分が「紳士」として、隣の女性を助けることを期待されます。白酒が苦手な女性の場合、赤ワインを頼むことがあります。女性が赤ワインを頼んだとしても、結局自分で飲むハメになるのが普通です。結果的には、自分が温かいビール+55%の白酒+赤ワインをすべて一気飲みすることになります。

要約

上述の付き合い方が数年続き、最初はただの「外国からの来客」でしたが、それが「取引先」になり、「友人」となった今では、お酒の量が急に減りました。

市政府の方とお昼を共にした時には、「飲まなくていいよ」と言ってきます。食事に誘われ、既に予定があることを伝えたら、お茶だけで済ませることが出来ます。

中国人は相手のことを「10年後にもこの人と付き合えるか?」と見ます。

一方、日本人は目先の取引でどのくらいの利益を得られるかを計算しています。

全然違う考え方であり、習慣です。

私は中国の考え方の方が好きです。

ただ、好きなのは、その「考え方」だけであり、「お酒の好み方」ではないことを強調します。

中国での賄賂

2010年5月9日

中国でのビジネスについて話すと直ぐに賄賂の話が出てきます。確かに中国の色々な場面で「賄賂」はまだ日常的なことです。あまりにも一般化されていて、悪いという意識がないことが多いです。逆に賄賂を払うのが当たり前で、賄賂なしの「正式な方法」が非常識と思われることも多いです。「賄賂」と思わず、「手数料」と思った方が近い訳語になるかも知れません。

大きく分けると二つの種類の賄賂があります:「良い賄賂」と「悪い賄賂」。先ずはそれについてちょっと説明します。

● 良い賄賂

良い賄賂とはその人が普通にする事をちょっとでも早めにしてもらうための賄賂です。例えば、何かを申請するのに、担当者が必要以上に面倒に出来ます。法律で書いていない項目を要求したり、解釈の違いによる細かい書き直しや訂正が永遠に続いたりすることがあります。自分は正しいことを正しくしようとしているだけでも、なぜか非常に時間とエネルギーを要する。そこで、その担当者に「お土産」を渡すことによって、急に物事が速く進むし、自分の手続きを急いでやってくれる。結果的にルール通りにしか進んでいないし、何の法律違反もない。でも、そのお土産(賄賂)がない場合よりはかなり早く、円滑に手続きが出来ます。これは役所、銀行、公安局、病院、どこでもあり得ることです。単なる常識です。

場合によってはお土産の代わりに「友人の紹介」で充分です。しかし、これはただで済んだと思うと大きな勘違いです。(それについては後日・・・)

● 悪い賄賂

一方、悪い賄賂とは人に禁じられている事をやらせる為の賄賂です。例えば、自分が犯した軽い違反を見逃すことから、相手が違法行為をすることまでです。このような賄賂は「良い賄賂」と比べて数が少ないのですが、比較的高額になるし、それなりの危険が伴うこともあります。

こんな悪い賄賂を提案することは絶対に避けた方が懸命です。自分から言い出したら、逆にそれだけで逮捕され、更なる賄賂を払うはめになることもあり得る。相手から言われても、よく考えて行動することがいいでしょう。

● 良い賄賂と悪い賄賂の区別

これは比較的に簡単です。例えば、何かを税関に通そうとした時に、物事が進まず、いくらかを払えば直ぐに出来ると言われた場合、「これは本当に税関を通すべきものかどうか?」を考えること!

本当に通すべきか担当者が面倒なことを言ったり、時間を掛けたりしているのであれば、恐らく「良い賄賂」の範囲内でしょう。一方、どう考えてもそれを税関で引っかかるべきものであるが、いくらかを払えば通してくれる話であれば、きっと「悪い賄賂」です。

● 賄賂の払い方

色々あります。もちろん現金を払うこともあります。しかし、当たり前に聞こえるが賄賂の領収書は発行も出来ないし、出来ても経費として認められるはずはないよね。また、賄賂は現金で払うと、見られたり、後で受け取った人が見つけられたりした場合はかなり面倒なことになる可能性がある。

そこで、現金ではなくて、携帯電話のプリペイドカードやデパートの金券(カード式)で賄賂を払うことが一般化されています。皆が電話カードを使えるし、日本系のデパートのカードを持つと中国でのステータスになっているし、更にその二つを買う時に正式な領収書をもらって、経費として落とすことが可能になります。

しかし、現代の中国を批判する前に戦後の日本を思い出しましょう。まだ「賂」と書いて「まいない」と読んで、しきたりとして「礼として贈る物」でした。当時は米券が多かったそうですが、時代と共に形が変わっているだけでしょうね。

結局は、中国に入っては中国に従う!

日本の休日

2010年4月29日

今日は4月29日(昭和の日)です。日本では国民の祝日です。しかし、今の日本の企業は日本だけの取引では残れないし、他の国は普通に出勤する日です。つまり、一日の業務が止まってしまう企業が多いでしょう。

弊社は国際業務を支援している立場から考え、極力社員全員が同時に休む日を減らしています。

中国の青島市にある姉妹会社はもちろんのこと、日本にある弊社も本日は営業しています。

両者の年間カレンダーをそれぞれのウェブサイトに公開しています。

国際業務だと時差もありますが、1日の差が意外と大きい場合がありますので、その点をもっと重視するべきではないでしょうか?

株式会社ハイマン翻訳年間スケジュール

青岛海曼商务咨询有限公司年間スケジュール

偽物か別物?

2010年4月16日

今、中国でコピーされていない物があるのでしょうか?直ぐに思い浮かぶ物がない。コピーが出来ないものは、本物か偽物かを戸惑うぐらいかなりの精度で真似され、実物を褒めているのか、貶しているのか、分からないぐらいです。

これは前回(先月)中国に行った時に見た携帯電話です。ぱっと見たらApple社のロゴもあり、本物のiPhoneに見えるかも知れないが、良く見るとリンゴのマークがあるのに「iPhone」ではなくて、「iPhcne」です。

タッチパネルはありますが、普通の折り畳み式携帯電話です。機能的にはiPhoneと全く似ていない。

前は中国での偽物を探したりしていたが、今は偽物のない物を探すようになっています。

正しい道具を選んだ方がいい

2010年4月13日

心理学者アブラハム・マズロー氏が言ったのは「金槌しか持っていなければ、すべての問題は釘に見える」。たくさんの人がMS-Excelが設計・開発された目的以外の用途で使用しているようです。MS-Excelはスプレッド・シート(表計算ソフト)です。リストを作ったり、計算の自動化をしたりするのに販売管理などでよく使われている。しかし、多くの人(特に理系の方)がMS-Excelで全く違うものを作成している。一緒に売られているMS-Wordが相応しいのに、MS-Excelで取扱説明書や品質マニュアルなどを作成されている。文字を扱うために開発された友達のMS-Wordの方が適切ですが、MS-Excelの方に慣れているためとよく言い訳される。

作られたファイルをプリントして使うと全く問題はないかもしれないが、のちのち翻訳者の悪夢となることも多々あります。翻訳された文章が原稿の文章よりも長いとMS-Excelのセルに入りきれないことが多いです。そのセルやテキストボックスのサイズを変更しようとすると、書類が完全に崩れてしまうこともあるし、適切なソフトで作られた原稿と比べて作業時間がかなり長くなります。

英語は日本語よりも長くなりますが、テキストが自然に次のページに流れないし、度々一つの文章が複数のセルで分かれているので、翻訳支援ソフト(CAT)を使って翻訳を効率よくすることが非常に難しくなるし、場合によっては不可能となってしまいます。

結局は翻訳された書類は完璧な見た目ではないのに、相応しいソフトで作られた原稿を翻訳する場合よりも、時間と費用の負担が大きくなってしまいます。

すべての道具には用途がある。MS-Excelの用途はテキストを書くことではありません。なぜMS-Wordをワード(単語)と名づけられたと思う・・・?